夕飯後、湯気の立つお茶をすすりながら私は言った。
「お母さんの遺骨、ダイヤモンドにしたいんだ」
その瞬間、夫はテレビのリモコンを握ったまま固まった。
「海外で作るんだろ?本当に大丈夫なのか?」
出た。
夫の慎重すぎるスイッチが、またカチッと入った。
このスイッチ、どこにあるのか本当に知りたい。
私は深呼吸して、ゆっくり言った。
「大丈夫だよ。海外だからこそ、なんだよ」
夫は、眉をひそめた。
「どういうことだ?」
🌍なぜ日本では作れないのか?
「遺骨ダイヤモンドを作るラボってね、
スイスとかアメリカとかフィンランドとか、
世界でも限られた場所にしかないの」
「日本にはないのか?」
「技術はあるんだけどね。
遺骨を扱うには法律や地域の理解が必要で、
ラボを作るのが難しいみたいなんだよ」
夫は腕を組んだ。
「なるほど。日本の事情ってやつか」
🏭ラボは工場じゃなくて心を扱う場所
「海外のラボってね、ただの工場じゃないの」
「ほう?」
「遺骨の取り違えが絶対に起きないように、
厳重な管理体制が敷かれてるの。
まさに心を扱う場所なんだよ」
夫は、少し驚いた顔をした。
「そんなに丁寧に扱ってくれるのか」
「うん。
だから海外でも安心して任せられるんだよ」
⏳半年以上かかる待つ時間が心を癒す
「でもさ、半年以上かかるんだろ?
そんなに待つのは不安だな」
またしても、せっかちスイッチが入った。
私は少し笑って言った。
「でもね、その待つ時間が大事なんだよ」
「ラボから英語で経過報告が届いて、
日本の窓口が日本語にして送ってくれるの。
今ここまで進みましたよって」
夫は目を丸くした。
「そんな報告まであるのか」
「そうなの。
遠い国でお母さんの遺骨が大切に扱われてるって思うだけで、
すごく安心できるんだよ」
夫は静かにうなずいた。
🗂️信頼できる窓口を見つけることが一番大事
「海外ラボが不安なら、
日本の窓口をしっかり選べば大丈夫だよ」
「窓口か」
「資料請求してみて、
対応が丁寧かどうか、
親身かどうか、
日本語が自然かどうか
そこを見れば分かるよ」
夫は少し笑った。
「お前、もうプロだな」
「終活ガイドだからね」
💬夫に伝えたいこと
私は夫に向かって、ゆっくり言った。
「海外だから不安なんじゃなくて、
海外だからこそ安心できる部分もあるんだよ」
夫は、しばらく黙っていたが、
やがて小さくうなずいた。
「お母さんのこと、大切にしてくれるなら、それでいいな」
その言葉に、私は胸がじんわり温かくなった。





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