トテチテタの木工室。
今日もタダシさんは、作業台の前でそっと眉をひそめていた。
(最近、ちょっとヒヤッとする場面が増えとるんよなぁ)
そう、木工室では、
- 軍手をつけ忘れて作業している
- ノコギリの刃に手が近づきすぎている
- ボンドを素手で触ってしまう
- 手洗いを忘れて昼食に向かう
といった、安全・衛生の小さなトラブルが続いていた。
これは不注意ではなく、
特性によるボディイメージの弱さや危険予測の難しさが原因だった。
🪵事件はタクミさんから始まった
タクミさんが、木材を切ろうとしていた。
タダシさんはふと気づいた。
(あれ?軍手をつけてない)
「タクミさん、軍手は?」
「えっ、つけるんでしたっけ?忘れてました!」
タクミさんは悪気ゼロ。
ただ、「軍手をつける理由」が頭に残りにくいだけだった。
さらに、
タクミさんはノコギリを動かしながら、
刃のすぐ近くに手を置いていた。
「タクミさん!手が近いよ!」
「えっ、そうなんですか?気づきませんでした」
タダシさんはハッとした。
(これは安全・衛生の具体指導が必要じゃ!)
🧼タダシさん、ルールを体で分かる形にする
タダシさんは、木工室の壁に大きな掲示を作った。
トテチテタの安全ルール(理由つき)
- 軍手をつける理由
手を切らないため
木材のささくれから守るため
ボンドが手につかないため - ノコギリの刃から手の幅2つ分離す理由
刃が跳ねたときにケガを防ぐため
手が近いと危険に気づきにくいから - ボンドは道具で塗る理由
皮膚が荒れることがある
手につくと作業が止まる - 作業後は必ず手洗いする理由
木くず・ボンド・汚れを落とすため
食事の衛生を守るため
ミキさんが掲示を見て言った。
「理由が書いてあると、覚えやすいですね!」
タダシさんはうなずいた。
「そうなんよ。なんで必要かが分かると行動が変わるんよ」
🧩タダシさん、さらに視覚的な安全ラインを導入する
タダシさんは赤いテープを取り出し、
作業台に貼り始めた。
安全ライン(赤テープ)
- ノコギリの刃からここより手を出さないライン
- ボンドを置く危険物ゾーン
- 刃物を置く注意ゾーン
タクミさんは赤いラインを見て言った。
「これ、分かりやすいですね!手を出しちゃいけないんだ!」
タダシさんは心の中でガッツポーズ。
(視覚化は安全にも効くんじゃなぁ)
🌟効果はすぐに現れた
翌日。
タクミさんは軍手をつけてから作業台に向かった。
「軍手つけました!理由も覚えてます!」
ミキさんは赤いラインを見ながら、
ノコギリの刃から手を離して作業していた。
カズさんはボンドを道具で塗りながら言った。
「手につかないと作業が止まらないですね!」
ユウタさんは作業後に手洗いしながら言った。
「これでお昼ごはんも安心です!」
タダシさんは胸が熱くなった。
(安全って、特性理解から始まるんじゃなぁ)
🧠タダシさんの学び
危険行動は注意不足ではなく特性による見えにくさ。
視覚化・理由づけ・距離の基準を示すことで、安全は守られる。
安全と衛生は、支援の土台だった。
トテチテタの木工室には、
今日も赤いラインと軍手が、みんなを守っている。
📘発達支援:今日のポイント
- 発達障害のある人は「危険予測」が難しいことがある
- ボディイメージの弱さで手の位置が分かりにくい
- 安全は「視覚化」「理由づけ」「距離の基準」で支援する
- 衛生は「行動の意味」を伝えることで定着する




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