遺骨ダイヤモンド15 ブルーダイヤモンド

遺骨ダイヤモンド15 遺骨ダイヤモンド
遺骨ダイヤモンド15
はじめに(遺骨ダイヤモンド)

ハートインダイヤモンドでスタッフをしていたことがあります。その時の経験をもとに、わかりやすく物語にしてみました。

登場人物紹介

ミクの夫です。遺骨ダイヤモンドって、うさんくさいので苦手です。

ミクです。お母さんの遺骨をブルーダイヤモンドにしたことがあります。

ある日の夕方

わが家のリビングに、ピンポーンとメールの通知音が響いた。

「ん?メール?」

ミクがスマホを手に取る。
画面を見た瞬間、ミクの目が少し丸くなった。

「夫、ゆき、ケン、さおり。来たわよ」

「な、何が?」

夫は飲んでいた麦茶で盛大にむせた。

「げほっ、げほっ!と、途中経過!?そんなのあるのか!」

「あるのよ。ほら、写真付きで」

「しゃ、写真!?ミケの!?ダイヤの!?どっち!?」

「夫、落ち着いて」

「落ち着けるかぁぁ!」

中学生のケンがソファから顔を上げる。

「パパ、深呼吸。ほら、吸って、吐いて」

「す、吸って吐いてよし!」

ミクがメールを開くと、
そこには生成途中の写真が添付されていた。

ミケの思い出がよみがえる

「わぁ、すごい」

「これ、ミケ?」

夫が画面に顔を近づける。

長女ゆきが説明する。

「パパ、これは結晶化の途中段階だよ。炭素が固まっていくところ」

「へぇぇ。理科の実験みたいだ!」

「パパ、語彙力」

「うっ!」

メールには担当者からのメッセージも添えられていた。

「ミケちゃんの炭素はとても安定しており、美しいブルーの結晶に育っています。」

夫は、胸に手を当てた。

「ミケ。順調なんだな。よかった」

さおりが言う。

「パパ、ミケはずっと頑張ってたもんね」

ケンがふっと笑った。

「ミケ、よく俺の宿題の上に座ってたよね」

ゆきも思い出したように言う。

「私の髪ゴム、いつもミケが隠してた」

さおりは目を輝かせた。

「ミケ、私のぬいぐるみの横で寝てたよ!」

ミクも微笑む。

「ミケ、夫の膝の上が一番好きだったわよね」

夫は鼻をこすった。

「ミケ、ほんとに家族だったなぁ」

謎の不安

メールを読み終えたあと、夫は急にそわそわし始めた。

「なぁ、ミク。ミケ、ちゃんと青くなるよな?」

「なるわよ」

「でも途中で、色が変わったり」

「しないわよ」

「でも、もし、透明になったら」

ケンが冷静に言う。

「パパ、ブルーは選んだ色だから。途中で勝手に変わらないよ」

「そ、そうなのか!」

「パパ、ほんとに心配性だね」

「うっ!」

研磨工程へ

ミクがメールを読み上げる。

「次は、研磨工程に入るって、書いてあるわ」

「け、研磨!?ミケが磨かれるのか!」

「夫、表現が変よ」

ゆきが補足する。

「研磨ってダイヤの最終仕上げだよ。ここで輝きが決まるの」

「ミケ頑張れ!」

ケンが笑う。

「パパ、応援の仕方がスポーツ選手みたい」

「うっ!」

完成間近のお知らせ

ある日の午後。
わが家はいつものようにのんびりしていた。

夫は新聞、ミクは洗濯物、
ゆきとさおりは、研磨動画、
ケンはゲームをしながら時々画面を覗く。

ピコン。

「ミケのダイヤ、完成間近ですって」

夫は、新聞を落とした。

「え?もう!?心の準備が!」

「夫、準備しすぎよ」

ケンが冷静に言う。

「パパ、最終チェックってことだよ」

「最終チェック!?ミケ!」

ミクがメールを開くと、
ほぼ完成したブルーダイヤの写真が。

「綺麗」

「ミケだ。ミケの色だ!」

夫は胸を押さえた。

「なんか、泣きそうだ」

「パパ、まだ完成してないよ」

「うっ!」

ミケのダイヤが届く日

その日は、朝からわが家に、妙な緊張感が漂っていた。

  • ミクは時計を見てばかり。
  • ゆきは追跡ページを更新。
  • さおりは玄関を見つめる。
  • ケンは「パパ落ち着け」と言い続ける。

夫は玄関で正座していた。

「パパ、意味ないよ」

「そ、そうか!」

ピンポーン。

「き、来たぁぁぁ!」

「パパ、靴左右逆」

「うわっ!」

宅配便のお兄さんが箱を差し出す。

夫は赤ちゃんを抱くように箱を持ち上げた。

「ミケ、帰ってきたんだな」

「パパ、まだ開けてないよ」

「うっ!」

開封と家族の涙

テーブルを囲むわが家。

ミクがケースを開く。

深い青色のダイヤが光った。

「綺麗」

「ミケの色だ!」

夫は涙をこらえきれず鼻をすすった。

ケンが優しく言う。

「パパ、ミケはずっと家族だよ」

「お、おう!」

ミクはダイヤを光にかざした。

「本当にミケが帰ってきたみたいね」

ペンダントにして毎日つける

「夫」

ミクが静かに言う。

「このダイヤペンダントにして毎日つけるわ」

ゆきもさおりもケンも微笑む。

「ママ、絶対似合うよ」

夫は涙目のまま誇らしげにうなずいた。

「ミク、ミケも喜ぶよお前のそばにいられるんだから」

翌日、ミケと歩く新しい日常

翌朝。
ミクは胸元にブルーダイヤを下げた。

「どうかしら?」

夫は目を丸くした。

「ミク、すごく似合ってる。ミケがそこにいるみたいだ」

ゆきもさおりもケンも、笑顔でうなずく。

「うん、ママにぴったり」

「ミケ、絶対喜んでるよ」

ミクは、ペンダントをそっと触れた。

「ミケ、今日から、また一緒ね」

夫はスマホを構えるが

「パパ、指レンズにかかってる」

「逆光だよ」

「パパ、落ち着け」

「落ち着けないんだよぉぉ!」

結局15分かかった。

ミケの思い出が、これからも続く

夕方。
柔らかい光が差し込むリビングで、
ミクの胸元のブルーダイヤがきらりと光った。

夫はぽつりと言った。

「ミケ、ありがとうな。これからもずっと一緒だぞ」

ケンが優しく言う。

「ミケ、また明日な」

さおりも続ける。

「ミケ、今日も一緒だよ」

ゆきは微笑む。

「ミケは、ずっと家族だよ」

ミクは、胸元のペンダントをそっと握った。

「ミケ、家族はずっと家族よ」

そしてわが家は、
ミケとともに、新しい日常を歩き始めた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました