第66話 感謝する

悩んでもいい第66話 サンタ第2工房
悩んでもいい第66話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。


広島駅前徒歩8分。
サンタ第2工房の朝は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる沈黙」から始まる。

今日もタダシさんは、作業台の前で腕を組み、図面をじーっと見つめていた。

ミクさんは、横目でその様子を見て、ふっと笑った。

(また図面の沼に落ちてるわね)

「タダシさん、あと何分で作業始められそう?」

「えっと。10分くらいでいけます」

「じゃあ、10分後に始めましょうね。タイマーつけておくわ」

「はい」

タダシさんは、素直に動き出した。

🌱その日の夕方、タダシさんは胸にひっかかるものがあった

作業を終え、片付けをしているとき。
タダシさんは、ふとミクさんの背中を見つめた。

(ミクさんいつも僕のこと、ちゃんと見てくれてるんだよな)

  • 図面ばかり見て動かないときも
  • 焦って空回りしているときも
  • 納期が迫ってパニックになりそうなときも

ミクさんは、怒鳴らず、責めず、
ただ言い方を変えて導いてくれた。

(私みたいな、不出来な人間に、よくこんなに丁寧に接してくれるよな)

胸の奥がじんわり熱くなった。

🌙帰り際、タダシさんは勇気を出した

「ミクさん、あの少しお話してもいいですか」

「どうしたの?珍しいわね」

タダシさんは、少し照れながら言った。

「ミクさん、いつもありがとうございます」

ミクさんは、少し驚いたように目を丸くした。

「急にどうしたの?」

「私、作業に入るまで時間がかかったり、
図面ばかり見て動けなかったり
正直、自分でも嫌になることが多いんですけど」

ミクさんは静かに聞いている。

「ミクさんが、怒らずにあと何分で始められそう?って聞いてくれたり、
あと一歩ですねって言ってくれたり
その言葉があると、すごく動きやすいんです」

ミクさんは、少しだけ微笑んだ。

「そう。ならよかったわ」

「私、ミクさんに助けられてばかりで
本当に感謝しています」

タダシさんは、言葉を選びながら続けた。

「ミクさんがいなかったら、私はきっと
もっとダメになってたと思います」

ミクさんは、少し照れたように視線をそらした。

「タダシさん。
あなたは不出来なんかじゃないわよ。
ただ、切り替えがゆっくりなだけ」

「はい」

「でもね、素直だから、声かけを変えるとすぐ動くの。
それって、すごい才能よ」

タダシさんは、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。

「ミクさん、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします」

ミクさんは、軽く笑った。

「もちろんよ。
あなたのこと、ちゃんと導くからね」

工房には、木の香りと、
二人の静かな信頼がふわっと漂っていた。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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