広島市の就労継続支援B型作業所「トテチテタ」。
今日もタダシさんは、木工室で宮島のお土産品づくりを見守っていた。
木の香りがふわっと漂う、
なんとも落ち着く場所だ。
今日の主役は「質問ができない」タツヤくん
タツヤくんは、作業中に困っても
なかなか声をかけられないタイプだ。
木材を持ったまま固まっている。
「タツヤくん、どうしたの?」
「いえ、大丈夫です」
(いや、大丈夫じゃなさそう)
タダシさんは少し焦った。
水面上だけ見ると「質問しない人」
タダシさんは、目に見える行動だけを見ていた。
- 困っても声をかけない
- 作業が止まる
- 間違いが増える
(どうしたらいいんだろう)
焦る気持ちが先に立つ。
水面下には「声をかけるハードル」があった
昼休憩のとき、タツヤくんがぽつりと言った。
「タダシさんに、声をかけるタイミングが分からなくて
作業中に話しかけたら、迷惑かなって思ってしまうんです」
タダシさんはハッとした。
(質問できないのは遠慮だったんだ!)
タツヤくんは続けた。
「あと、何をどう聞いたらいいか分からなくて
聞くことで迷惑をかける気がして」
水面下には、
- 声をかけるタイミングが分からない
- 相手に迷惑をかけたくない
- 質問の仕方が分からない
- 申し訳なさが強い
という理由があった。
タダシさん、改善策を考える(そしてまた少し失敗する)
翌日、タダシさんは張り切って
「質問しやすい雰囲気づくり」をしようとした。
しかし
「タツヤくん、いつでも声かけてね!
タダシさんは質問ウェルカムマンだから!」
「ウェルカムマン?」
(しまった、変なキャラを作ってしまった)
タツヤくんは少し引いていた。
タダシさんは自分のテンションの水面下に気づいた。
それでも、改善は進む
タダシさんはキャラづくりをやめ、
「声をかけるタイミング」を明確にした。
タダシさんが木工室を歩いているとき
タダシさんが机の前にいるとき
タダシさんが作業を見守っているとき
「この3つのタイミングなら、いつでも声かけていいよ」
すると
「それなら分かりやすいです!」
タツヤくんは、
少しずつ質問できるようになった。
タダシさんの学び
タダシさんは思った。
質問できないのは、やる気の問題じゃない。
声をかけるハードルという水面下の理由がある。
質問しやすい環境をつくることが大事なんだ。
トテチテタの木工室には、
今日も木の香りと、
ゆっくりと前に進む人たちの物語が流れている。




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