広島市の就労継続支援B型作業所「トテチテタ」。
今日もタダシさんは、木工室で宮島のお土産品づくりの準備をしていた。
木の香りがふわっと漂う、
なんとも落ち着く場所だ。
のはずなのだが。
体調が不安定
朝のミーティングが始まる時間になっても、
マナブさんが来ない。
「タダシさん、マナブさん、今日もお休みみたいですよ」
「そっか。最近続いてるなぁ」
(どうしたんだろう)
タダシさんは少し心配になった。
水面上だけ見ると
- 「休みがち」
- 「体調管理ができない人」
タダシさんは、目に見える行動だけを見ていた。
- 急に休む
- 連続して欠席する
- 作業が安定しない
(どうしたらいいんだろう)
焦る気持ちが先に立つ。
水面下の体調だけではない理由
昼過ぎ、マナブさんから電話があった。
「タダシさん、すみません、今日も行けなくて」
声が弱々しい。
「体調どう?無理しなくていいからね」
「体調もあるんですけど
朝、家を出ようとすると、急に不安になるんです」
タダシさんはハッとした。
(休む理由、は体調だけじゃなくて、不安だったんだ!)
マナブさんは続けた。
「行かなきゃって思うほど、
お腹が痛くなったり、息がしづらくなったりして
家の玄関で固まってしまうんです」
水面下には、
- 朝の不安
- 緊張による腹痛・頭痛
- 家を出るまでのハードル
- 過去の経験による朝の苦手さ
- 生活リズムの乱れ
という理由があった。
タダシさん、改善策を考える(そしてまた少し失敗する)
翌日、タダシさんは張り切って
「朝の不安を軽くする声かけ」をしようとした。
しかし
「マナブさん、朝つらかったら「タダシさん朝応援隊」が応援するからね!」
「朝応援隊?」
(しまった、また変なキャラを作ってしまった)
マナブさんは少し引いていた。
タダシさんは自分のキャラづくりの水面下に気づいた。
それでも、改善は進む
タダシさんはキャラづくりをやめ、
マナブさんと一緒に「朝のハードル」を整理した。
- 家を出る前にできる準備の予告
- 朝の不安を軽くする短い電話
- 到着後すぐにできる簡単な作業
- 無理のないゆっくりスタート
すると
「タダシさん、今日は行けそうです」
翌朝、マナブさんは少し遅れて
トテチテタに来ることができた。
「来れたね、よかった!」
「はい。玄関で止まりそうになったけど、
まずは行くだけでいい、って思ったら、少し楽になりました」
タダシさんは心から嬉しくなった。
タダシさんの学び
タダシさんは思った。
体調が不安定なのは、生活習慣や体調だけの問題じゃない。
朝の不安という水面下の理由がある。
ハードルを下げることで、来所しやすくなる。
トテチテタの木工室には、
今日も木の香りと、
ゆっくりと前に進む人たちの物語が流れている。




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