広島駅前徒歩8分。
朝のサンタ第2工房は、いつもより少し慌ただしかった。
「タダシさん、これ持っていって。あと、このチラシも忘れないでね」
「はい、了解です。車に積んでおきます」
今日は、宮城県の子育て支援外郭団体が主催する木育イベントの日。
サンタ第2工房もワークショップとして参加することになっていた。
タダシさんは、ミクさんが準備した荷物を丁寧に車へ運びながら、
(本当に、こんなところまで関係を作っていたんだな)
と、昨日の驚きを思い返していた。
🚗会場へ向かう道中
車の中は、少し緊張した空気と、少しワクワクした空気が混ざっていた。
「ミクさん、こういうイベントって、いつから参加してるんですか?」
「うーん、気づいたら増えてたのよね。
インスタでつながった人から声をかけてもらったり、
子育て支援の団体から相談が来たり」
「なるほど。やっぱり、ミクさんの発信力ですね」
「発信力というより、地道なやり取りよ。
DMで相談されたら返すし、フォローされたら見に行くし。
そういうのが積み重なって、気づいたら広がってたの」
タダシさんは、ハンドルを握りながら静かにうなずいた。
(やっぱり見えない努力を続けてきたんだ)
🏢イベント会場は大盛況

会場に着くと、すでに親子連れがたくさん集まっていた。
「サンタ第2工房さん、こちらです!
今日のワークショップ、楽しみにしてました!」
スタッフが笑顔で案内してくれる。
ミクさんは、慣れた様子で挨拶しながらブースの準備を始めた。
「タダシさん、テーブルの高さ、子ども向けに少し下げましょうか」
「了解です。工具持ってきます」
二人は、まるで長年のチームのように自然に動いた。
🧒子どもたちの笑顔があふれる
ワークショップが始まると、
子どもたちが次々とブースに集まってきた。
「これ、ビー玉コロコロだ!」
「木の迷路、作ってみたい!」
「この積み木、さわり心地がいい!」
ミクさんは、子どもたちの手元を見ながら優しく声をかける。
「ゆっくりでいいのよ。木はね、急がなくてもちゃんと形になってくれるから」
タダシさんは、工具の使い方を丁寧に説明しながら補助する。
「ここを押さえてください。そうです、上手ですね」
親御さんたちも、
「この工房、インスタで見ました!」
「いつも投稿楽しみにしてます!」
と声をかけてくる。
ミクさんは、少し照れながら笑った。
🌟タダシさん、ミクさんの影の努力を知る
休憩時間。
タダシさんは、イベントのパンフレットを眺めていた。
そこには――
宮城県のロゴ
子育て支援団体の名前
行政と連携した活動の紹介
(こんな大きな団体とつながっていたなんて)
タダシさんは、ミクさんにそっと言った。
「ミクさん、すごいですね。
こういう団体と関係を作るのって、簡単じゃないですよ」
ミクさんは、少しだけ肩をすくめた。
「別に大したことしてないわよ。
子どもたちのためになるなら、できることをやってるだけ」
その言葉は、あまりにも自然で、
あまりにもミクさんらしかった。
タダシさんは、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。
(ひょっとしたら寄付とか、賛助会員とか、
そういう見えない努力もしてるのかもしれない)
でも、ミクさんはそれを自慢しない。
ただ淡々と、必要なことを続けているだけ。
🌙イベント終了後の帰り道
夕方。
イベントが終わり、車に荷物を積み終えたころ。
「タダシさん、今日はありがとう。
あなたがいてくれて、本当に助かったわ」
「いえ、こちらこそ。
ミクさんの活動が、こんなに広がっているのを知れてよかったです」
ミクさんは、少しだけ照れたように笑った。
「そんな大したことじゃないわよ。
ただ、子どもたちの笑顔が見たいだけ」
タダシさんは、静かにうなずいた。
(この人の背中を、もっと支えたい)
車はゆっくりと広島駅前へ向かって走り出した。
サンタ第2工房は今日も稼働中。
木の香りと、二人の静かな信頼が、
イベント会場から広島の街へふわっと広がっていった。





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