第57話 見えない営業努力

悩んでもいい第57話 サンタ第2工房
悩んでもいい第57話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。

広島駅前徒歩8分。
サンタ第2工房の午後は、木の香りと、撮影用ライトの光が混ざる独特の空気が流れていた。

「タダシさん、ちょっとこの写真見てもらえます?」

ミクさんが、撮影機材で撮った木のおもちゃの写真をタダシさんに見せた。

「すごく綺麗ですね。光の当たり方が自然でプロみたいです」

「AIで投稿文を作って、写真は私が撮ってるの。
インスタグラムが今の営業の中心だからね」

ミクさんは、さらっと言う。

タダシさんは、最近気づいていた。

工房の名前が、いろんな場所で紹介されていることに。

📱インスタの影響力

ある日、タダシさんは作業の合間にネットで工房の名前を検索してみた。

すると――

  • 子育て支援のブログ
  • 宮城県内のカフェの紹介ページ
  • 木育イベントの告知
  • 地域のママ向けメディア

いろんな場所で「サンタ第2工房」の名前が出てくる。

(こんなに広がっていたのか)

タダシさんは、舌を巻いた。

ミクさんは、ただインスタに投稿しているだけではない。
フォローしたり、フォローされたり、
コメントを返したり、
DMで丁寧にやり取りしたり――

その積み重ねが、認知を広げていたのだ。

📅来月のイベントの話

夕方。
ミクさんが、作業台の端でタダシさんに言った。

「来月、イベントに参加するのよ。
木育のワークショップで、うちも出店することになったの」

「そうなんですね。どんなイベントですか?」

「これ。主催団体のホームページ、見てみて」

タダシさんはスマホでページを開いた。

そこには――

  • 宮城県のロゴ
  • 子育て支援の外郭団体の名前
  • 行政と連携した地域イベントの告知

(え?こんなところまで関係を作っていたのか)

タダシさんは、思わず息をのんだ。

💡ミクさんの見えない努力に気づく

机

タダシさんは、ふと考えた。

(もしかして)

ミクさんは、ただインスタで発信しているだけではないのかもしれない。

  • 子育て支援団体への寄付
  • 賛助会員としての支援
  • 行政との小さなつながり
  • 地域のママコミュニティとの交流

そういう見えない努力を、
ミクさんは当たり前のように続けてきたのではないか。

タダシさんは、静かに言った。

「ミクさんすごいですね。
こんなところまで関係を作っていたなんて、正直驚きました」

ミクさんは、少し照れたように笑った。

「え?そんな大したことしてないわよ。
ただ、子どもたちのためになるなら、できることはやってるだけ」

その言い方が、あまりにも自然で、
あまりにもミクさんらしくて――

タダシさんは、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。

🌙その日の帰り際

閉店後。
タダシさんが帰る準備をしていると、ミクさんが声をかけた。

「タダシさん、明日もよろしくね。
イベントの準備、あなたの手が必要だから」

「もちろんです。
ミクさんの努力が、もっと広がるように手伝います」

ミクさんは、少しだけ目を丸くした。

「そんなこと言われたの、初めてかもしれないわね」

二人は、少し照れながら笑った。

サンタ第2工房は今日も稼働中。
木の香りと、二人の静かな信頼が、
広島の街にふわっと漂っていた。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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