広島駅前徒歩8分。
サンタ第2工房の午後は、木の香りと、撮影用ライトの光が混ざる独特の空気が流れていた。
「タダシさん、ちょっとこの写真見てもらえます?」
ミクさんが、撮影機材で撮った木のおもちゃの写真をタダシさんに見せた。
「すごく綺麗ですね。光の当たり方が自然でプロみたいです」
「AIで投稿文を作って、写真は私が撮ってるの。
インスタグラムが今の営業の中心だからね」
ミクさんは、さらっと言う。
タダシさんは、最近気づいていた。
工房の名前が、いろんな場所で紹介されていることに。
📱インスタの影響力
ある日、タダシさんは作業の合間にネットで工房の名前を検索してみた。
すると――
- 子育て支援のブログ
- 宮城県内のカフェの紹介ページ
- 木育イベントの告知
- 地域のママ向けメディア
いろんな場所で「サンタ第2工房」の名前が出てくる。
(こんなに広がっていたのか)
タダシさんは、舌を巻いた。
ミクさんは、ただインスタに投稿しているだけではない。
フォローしたり、フォローされたり、
コメントを返したり、
DMで丁寧にやり取りしたり――
その積み重ねが、認知を広げていたのだ。
📅来月のイベントの話
夕方。
ミクさんが、作業台の端でタダシさんに言った。
「来月、イベントに参加するのよ。
木育のワークショップで、うちも出店することになったの」
「そうなんですね。どんなイベントですか?」
「これ。主催団体のホームページ、見てみて」
タダシさんはスマホでページを開いた。
そこには――
- 宮城県のロゴ
- 子育て支援の外郭団体の名前
- 行政と連携した地域イベントの告知
(え?こんなところまで関係を作っていたのか)
タダシさんは、思わず息をのんだ。
💡ミクさんの見えない努力に気づく

タダシさんは、ふと考えた。
(もしかして)
ミクさんは、ただインスタで発信しているだけではないのかもしれない。
- 子育て支援団体への寄付
- 賛助会員としての支援
- 行政との小さなつながり
- 地域のママコミュニティとの交流
そういう見えない努力を、
ミクさんは当たり前のように続けてきたのではないか。
タダシさんは、静かに言った。
「ミクさんすごいですね。
こんなところまで関係を作っていたなんて、正直驚きました」
ミクさんは、少し照れたように笑った。
「え?そんな大したことしてないわよ。
ただ、子どもたちのためになるなら、できることはやってるだけ」
その言い方が、あまりにも自然で、
あまりにもミクさんらしくて――
タダシさんは、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。
🌙その日の帰り際
閉店後。
タダシさんが帰る準備をしていると、ミクさんが声をかけた。
「タダシさん、明日もよろしくね。
イベントの準備、あなたの手が必要だから」
「もちろんです。
ミクさんの努力が、もっと広がるように手伝います」
ミクさんは、少しだけ目を丸くした。
「そんなこと言われたの、初めてかもしれないわね」
二人は、少し照れながら笑った。
サンタ第2工房は今日も稼働中。
木の香りと、二人の静かな信頼が、
広島の街にふわっと漂っていた。





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