第33話 添い寝の夢

迷ってもいい 第33話 サンタ第2工房
迷ってもいい 第33話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。

光のページェントからの帰り道。
バスの揺れはゆっくりで、
イルミネーションの余韻がまだ二人の肩に残っていた。

ミクは窓の外を見つめ、
タダシはその横顔をそっと見守っていた。

言葉は少ない。
でも、沈黙は不安ではなく、
むしろ心が寄り添うような静けさだった。

その静けさの中で
タダシの胸に、ひとつの願いが生まれた。

ミクの眠り方があまりにもやさしかった

ミクは、ふと目を閉じた。
疲れが出たのか、
肩が少しだけタダシのほうへ傾く。

その仕草は、
かわいいというより
愛しいという言葉がぴったりだった。

タダシは思った。

(ミクさん
 こんなふうに安心して眠れるんだ)

その瞬間、
胸の奥に静かに灯る願いがあった。

添い寝という言葉が浮かんだのは守りたいから

タダシは、自分でも驚いた。

(ミクさんと添い寝できたら)

それは決して、
触れたいとか、
近づきたいという欲ではなかった。

むしろ逆で

ミクさんが安心して眠れる場所を
自分がつくってあげたい。

そんな、
あまりにも静かで、
あまりにもやさしい願いだった。

ミクの肩が少し揺れ、
タダシの腕に触れた。

その瞬間、
胸の奥がぎゅっと熱くなる。

(ああ
 この人を守りたい)

添い寝という言葉は、
その気持ちの象徴だった。

ミクは、ふと目を開けてタダシを見た

「タダシさん」

その声は、
眠りの余韻を含んだ柔らかい声だった。

タダシは少し慌てて言った。

「起こしちゃいましたか?」

ミクは首を横に振った。

「ううん。
 なんか、安心して眠れました」

その言葉は、
タダシの胸に深く沈んだ。

(ミクさん
 私の隣で安心してくれるんだ)

ミクは続けた。

「タダシさんの隣って
 あったかいですね」

その一言で、
タダシの願いは確信に変わった。

タダシはまだ言えない。けれど願いは確かに生まれた

タダシは、心の中でそっとつぶやいた。

(いつか
 ミクさんが望むなら
 添い寝してあげたい)

ミクが安心して眠れる場所を
自分がつくれるなら。

それは恋の願いではなく、
やさしさの願いだった。

ミクは、
タダシの胸の内を知らないまま、
静かに微笑んだ。

その笑顔は、
タダシにとってただただ
愛しいものだった。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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