神様が見えない

神様が見えない02|悪魔になれる?

「お父さん、ちょっと聞きたいんだけど」夜の10時過ぎ。リビングのテーブルでノートを広げ、「人は悪魔になれるか?」「イエスの荒野の誘惑」「ちょっぴり悪魔の危険性」と、独特なメモを真剣な顔で書き連ねていた私に、ミクが温かいほうじ茶を差し出しなが...
神様が見えない

神様が見えない01|できないこと?

「お父さん、ちょっと聞きたいんだけど」夜の10時過ぎ。リビングのテーブルでノートを広げ、「神様は何でもできる」「水からワイン」「中学校の地理の先生のハワイ説」「願い事は後回しにされる」と、独特なメモを真剣な顔で書き連ねていた私に、ミクが温か...
発達支援

発達支援30:お墓掃除

広島市内の就労継続支援B型事業所で働くようになってから、季節の移り変わりを肌で感じる。その中でも、利用者さんたちと一緒に取り組むお墓掃除は、比較的安定して工賃が稼げる作業のひとつだ。秋晴れの心地よい風が吹く日もあれば、汗がじわりと滲むような...
サンタ第2工房

サンタ第2工房:おまとめショートストーリー②

広島駅から歩いて8分。都会の喧騒がふっと消え、落ち着いた住宅街が広がる一角に、ミクのお店サンタ第2工房はある。当時46歳。趣味は読書(静かな場所限定)。いつか、木のおもちゃ博物館を作りたいという大きな夢を持っていた。そのミクの人生が木の香り...
サンタ第2工房

サンタ第2工房:おまとめショートストーリー①

広島駅前の材木店で働く一人の母・ミクが、子どもたちの笑顔のために始めたサンタ第2工房。木のおもちゃと木育を通じて、地域と心をつなぐ6年間の物語です。木育ママのひらめき広島駅前の喧騒を背に、ミク(42)は軽ワゴンのハンドルを握っていた。PTA...
サンタ第2工房

第73話 安心感の接客を教える

サンタ第2工房の朝。木の香りがふわっと漂い、ミクさんは作業台で積み木を磨いていた。タダシさんは、昨日納品した小箱の確認に来ていた。「ミクさん、おはようございます」「おはよう、タダシさん。ちょうどよかったわ。今日はね、接客の話をしたいの」タダ...
サンタ第2工房

第72話 見えないものを信じる理由

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午前。今日はチェストの納品があり、ミクさんとタダシさんは車に乗って出発した。助手席のタダシさんは、窓の外を眺めながら突然言った。「ミクさん神様って、いると思いますか?」ミクさんは、ハンドルを握ったまま少しだ...
サンタ第2工房

第71話 雨の日の小さな災難

雨が降り出しそうな、薄暗い夕方のことだった。「サンタ第2工房」の店先をふと見ると、一人の女性が困り果てた顔で自転車と格闘していた。どうやら、自転車のチェーンが外れてしまって動かなくなっているらしい。「あ、あの…」いつもお店の前をよく通ってい...
サンタ第2工房

第70話 幸せのレッスン

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午後。木の香りが漂う中、タダシさんは作業台で図面を見つめながら、ふとため息をついた。「ミクさん幸せって、なんなんでしょうね」突然の哲学的な質問に、ミクさんは工具を置いて振り返った。「また難しいこと考えてるわ...
サンタ第2工房

第69話 小箱15個の挑戦と厳しい検品

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房は、年末のクリスマス準備で大忙しだった。そんなある日の午後。ミクさんは作業台で積み木を並べながら、タダシさんに声をかけた。「タダシさん、お願いがあるの。このシナベニヤ板で、小箱を作ってほしいの」タダシさんは、...
サンタ第2工房

第68話 量子もつれ?

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の朝。タダシさんは作業台で端材を整理しながら、昨夜のことを思い返していた。(実家で寝る前にテレビつけたら、NHKで量子もつれの番組やってたんだよなあれはすごかった。理解できなかったけど、すごかった)量子が宇宙...
サンタ第2工房

第67話 幸せのブレーキ

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午後。タダシさんは作業台で端材を整理しながら、ふとため息をついた。(来週、家族が映画のチケットを手配してくれたんだよな一泊旅行の予定もあるらしいけど正直、別に行かなくてもいいんだけど)そんなことを考えている...
サンタ第2工房

第66話 感謝する

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の朝は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる沈黙」から始まる。今日もタダシさんは、作業台の前で腕を組み、図面をじーっと見つめていた。ミクさんは、横目でその様子を見て、ふっと笑った。(また図面の沼に落ちてる...
サンタ第2工房

第65話 もったいないを考え直す

サンタ第2工房の昼下がり。タダシさんは、作業台で端材を整理しながら、ふとため息をついた。(昨日の夕食、お腹いっぱいなのに全部食べちゃったんだよなあれ、完全にもったいないの呪いだったな)そんなことを考えていると、ミクさんが声をかけてきた。「タ...
サンタ第2工房

第64話 自分自身を振り返る

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午前は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる沈黙」から始まる。今日もタダシさんは、作業台の前で腕を組み、図面をじーっと見つめていた。ミクさんは、その姿を見て、ふっと笑った。(昔の私なら、ここで早く作業始...
サンタ第2工房

第63話 人が集まる技術

サンタ第2工房の午後は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる時間」が今日も長かった。作業台の前で腕を組み、じーっと図面を見ているタダシさん。ミクさんは、その様子を横目で見ながら声をかけた。「タダシさん、ちょっといい?」「はい、なんでしょ...
サンタ第2工房

第62話 タダシさんがミクさんに相談する

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午後は、木の香りと、タダシさんの図面を見つめる時間が今日も長かった。その日の夕方。タダシさんは、作業台の前で腕を組んだまま動かなくなっていた。ミクさんは、横目でその様子を見ながら思った。(また図面の沼に落ち...
サンタ第2工房

第61話 ミクさんのコーチング

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の午後は、木の香りと、タダシさんの図面を見つめる時間が長くなることで、ゆっくりと流れていた。今日もタダシさんは、作業台の前で図面をじーっと見つめている。(また始まったわね)ミクさんは、コーチング講座で学んだ人...
サンタ第2工房

第60話 美容院帰りを気づかないタダシさんを諭す

広島駅前徒歩8分。サンタ第2工房の朝は、木の香りと、作業台の上の端材の山から始まる。その日の午前。ミクさんが、作業中のタダシさんに声をかけた。「タダシさん、来週のどこかで美容院に行くから、その時間は工房にいないかもしれないわね」タダシさんは...
サンタ第2工房

第59話 イベント後の打ち上げ

イベントが終わった夕方。会場の片付けを終え、車に荷物を積み込んだころには、空はすっかりオレンジ色になっていた。「タダシさん、今日ほんとに助かったわ。ありがとう」「いえ、こちらこそ。子どもたちの笑顔を見られて、すごく良い経験でした」二人は車に...
サンタ第2工房

第58話 イベント当日

広島駅前徒歩8分。朝のサンタ第2工房は、いつもより少し慌ただしかった。「タダシさん、これ持っていって。あと、このチラシも忘れないでね」「はい、了解です。車に積んでおきます」今日は、宮城県の子育て支援外郭団体が主催する木育イベントの日。サンタ...
発達支援

発達支援29:ミク家の空気がふわっと軽くなる話(コラム)

ミクには、夕方になると、つい言ってしまう言葉がある。「早くお風呂入りなさい!」その瞬間、ケン(5)はソファに沈み、さおり(3)は床に転がり、まるで動かない選手権が始まる。長女のゆき(7)は、そんな二人を見てため息をつく。「また、始まったね」...
発達支援

発達支援28:トテチテタ⑥

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、なんとも言えない温かい空気が流れ込んでくる。今日のチャレンジ...
発達支援

発達支援27:トテチテタ⑤

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、温かい空気が流れ込んでくる。風の強い日その日は朝から風が強か...
発達支援

発達支援26:トテチテタ④

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、なんとも言えない温かい空気が流れ込んでくる。昼下がりのトテチ...
発達支援

発達支援25:トテチテタ③

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所トテチテタは、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、なんとも言えない温かい空気が流れ込んでくる。チラシの束その日のト...
発達支援

発達支援24:トテチテタ②

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、温かい空気が流れ込んでくる。地図帳トテチテタの朝は、いつも誰...
発達支援

発達支援23:トテチテタ①

広島市の外れにある就労継続支援B型事業所「トテチテタ」は、朝になるといつも少しだけ騒がしい。玄関の引き戸がガラガラと開くたび、利用者さんたちの声が重なり、コーヒーの香りと混ざって、なんとも言えない温かい空気が流れ込んでくる。トテチテタ私はタ...
発達支援

発達支援22:できた!に導く10のメソッド

トテチテタの木工室で起きた、タダシさんと利用者さんたちのファミリーコメディ風の発達支援学習シリーズ。「発達障害のある人が安心して力を発揮できる支援」を物語として描いてきました。この記事では、その10話分を一目で理解できる総まとめとして整理し...
発達支援

発達支援21:実際の職場を再現すると自信がつく

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前で静かに考えていた。(みんな、作業は上手になっとる。でも本番の職場に行くとなると、不安が出るんよなぁ)そう、利用者さんたちは作業の力はついてきたものの、知らない場所で働くというだけで緊張して...
発達支援

発達支援20:成功体験を積み重ねると、人は変わる

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前で静かにみんなを見守っていた。(最近、みんなの表情がちょっと変わってきた気がするんよなぁ)そう、ここ数週間で導入した「細分化」「視覚化」「構造化」「確認手順」「環境調整」「休憩戦略」「安全衛...
発達支援

発達支援19:安全・衛生は特性理解から始まる

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前でそっと眉をひそめていた。(最近、ちょっとヒヤッとする場面が増えとるんよなぁ)そう、木工室では、軍手をつけ忘れて作業しているノコギリの刃に手が近づきすぎているボンドを素手で触ってしまう手洗い...
発達支援

発達支援18:休憩は戦略だ!疲労を防ぐタイムマネジメント

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前でそっと首をかしげていた。(みんな、午前の後半になると急にペースが落ちるんよなぁ…)そう、最近よく見られるのが――集中が切れてぼーっとする手が止まるイライラしてしまう失敗が増えるという疲労の...
発達支援

発達支援17:環境調整で集中力が戻る!音・光・距離の魔法

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前でそっとため息をついた。(なんか最近、みんな集中が続かん気がするんよなぁ…)そう、作業の途中でぼーっとしたり、手が止まったり、落ち着かなくなったりする場面が増えていた。その原因は――環境刺激...
発達支援

発達支援16:暗黙のルールは見える化しないと伝わらない

トテチテタの木工室。今日もタダシさんは、作業台の前で腕を組んでいた。(みんな、作業はできるんじゃけど…なんでそうするのかが伝わっとらん気がするんよなぁ)そう、最近よく起きるのが――「理由が分からないまま行動してしまう」という小さなトラブル。...
発達支援

発達支援15:確認手順を決めると安心するんです

トテチテタの午前10時。木工室では、今日もコツコツと作業の音が響いていた。タダシさんは、作業台の前で少し困った顔をしていた。(みんな、作業はできるんじゃけど…できたかどうかの確認でつまずくんよなぁ)そう、最近よく起きるのが――完成したと思っ...
発達支援

発達支援14:視覚化の魔法!タダシさん、図と写真で伝える

トテチテタの朝。木工室では、今日も木の香りがふわっと漂っている。タダシさんはホワイトボードを抱えて歩いていた。今日のターゲットは――ユウタさん。ユウタさんは、作業の説明を聞くといつもこうなる。「えっと…。つまりどうするんでしたっけ?」言葉で...