第63話 人が集まる技術

悩んでもいい第63話 サンタ第2工房
悩んでもいい第63話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。

サンタ第2工房の午後は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる時間」が今日も長かった。

作業台の前で腕を組み、じーっと図面を見ているタダシさん。
ミクさんは、その様子を横目で見ながら声をかけた。

「タダシさん、ちょっといい?」

「はい、なんでしょう」

ミクさんは、コーチング講座で学んだ内容を思い出しながら話し始めた。

🌟ミクさんの人が集まる技術講座

「タダシさん、人が集まる人ってね、性格じゃなくて技術なのよ」

「技術ですか?」

「そう。楽しそうにしている人のところに人が集まるって言うけど、
あれは楽しそうに見える技術を使ってるの」

タダシさんは、少し驚いた顔をした。

「技術?そんなものがあるんですね」

「あるのよ。しかも三つだけ。簡単だから今日からできるわ」

ミクさんは、指を三本立てた。

①面白がる対象が小さい

「人が集まる人ってね、大きな喜びを待ってないの。
お天気、食べ物、道で見かけたもの、
ご飯中に箸を落としたことまで、面白がれるのよ」

「箸を落としたことまで?」

「そう。くだらないほどいいの。
毎日、小さな楽しみを見つけられる人は、自然と雰囲気が明るくなるのよ」

②不機嫌を人前に置かない

「ご機嫌が斜めの日は誰にでもあるわ。
でも、人が集まる人は
不機嫌を出す場所を選んでるの」

「なるほど」

「工房で不機嫌を出さないだけで、
周りの空気が変わるのよ」

③人の話を面白がって聴く

「評価しないで話を聴いてもらえるとね、
人はまた、その人に話したくなるの」

「確かにそうですね」

「だから、人が集まるのは楽しそうだからじゃなくて、
面白がる練習を重ねた結果なのよ」

🌱今日からできるのは①だけ

ミクさんは、タダシさんの目を見て言った。

「今日からできるのは①よ。
今日、小さく面白かったことを一つだけ見つけてみて」

「小さく面白かったこと」

タダシさんは、うーんと考えた。

そして、ぽつりと言った。

「自転車のタイヤに空気を入れたら、
すごくスピードが出るようになって
乗り心地が良くなったことです。
こんなことなら、
もっと前に空気を入れておけばよかった、なんて」

ミクさんは、ふっと笑った。

「いいじゃない。そういうのでいいのよ。
それが面白がる技術の第一歩なの」

「第一歩ですか」

「そう。そういう小さな面白さがね、
お客様とのつながりのもとになるのよ」

タダシさんは、少し照れながらうなずいた。

「ミクさん、なんだか、少しわかった気がします」

「わかれば十分よ。
一週間続けたら、周りの反応が変わるわよ」

工房には、木の香りと、
ミクさんのコーチングに導かれて
少し成長したタダシさんの気配が
静かに漂っていた。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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