第64話 自分自身を振り返る

悩んでもいい第64話 サンタ第2工房
悩んでもいい第64話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。

広島駅前徒歩8分。
サンタ第2工房の午前は、木の香りと、タダシさんの「図面を見つめる沈黙」から始まる。

今日もタダシさんは、作業台の前で腕を組み、図面をじーっと見つめていた。

ミクさんは、その姿を見て、ふっと笑った。

(昔の私なら、ここで早く作業始めてくださいって言ってたわね)

今は違う。
コーチングを学んだことで、ミクさんの声かけはすっかり変わった。

「タダシさん、あと何分で作業始められそう?」

「えっと、10分くらいでいけます」

「じゃあ、10分後に始めましょうね。タイマーつけておくわ」

「はい」

タダシさんは、素直に動き出した。

(ほんと、変わったわね。私も、タダシさんも)

🌱昔のクセを思い出す

昼休み。
ミクさんは、工房の台所でお湯を沸かしながら、ふと、自分の昔を思い出した。

(私はずっと、自分を責めてばかりだった)

・うまくいかないのは自分のせい
・相手が動かないのは自分の言い方が悪いから
・もっと完璧にやらなきゃ
・私が全部やらないといけない

そんなふうに思い込んでいた。

でも、コーチングを学んで気づいた。

うまくいかないのは、私のせいじゃない。
気づいた今から変えればいい。

その気づきは、ミクさんの心を軽くした。

🔧自分も変わっていく

午後。
タダシさんが、作業の準備だけしてまた図面に戻ってしまった。

昔のミクさんなら――
「まだ始まってないのですか?」
と言っていた。

今のミクさんは違う。

「もう、作業の準備始めているのですね。あと一歩ですね」

タダシさんは、照れたように笑って作業に戻った。

(できてるところを認めると、人って素直になるのよね)

ミクさんは、自分自身にも同じ声かけをするようになった。

「私の言い方が悪かったのかもしれない」
→「期限内に納品できたんだから、それだけで合格」

「もっと完璧にやらなきゃ」
→「できているところを認めればいい」

「私が全部やらないと」
→「任せられるところは任せていい」

少しずつ、ミクさん自身も変わっていった。

🌙夕方、ミクさんは静かに気づく

作業が終わり、工房の片付けをしていると、
タダシさんがぽつりと言った。

「ミクさん、今日もありがとうございました。
声かけがあると、すごく動きやすいです」

ミクさんは、少し笑った。

「タダシさんが素直だからよ。
でもね、私も昔は、
タダシさんみたいに
動けない日があったのよ」

「えっ、ミクさんが、ですか?」

「そうよ。自分を責めてばかりで、
できない自分を許せなかったの」

タダシさんは、驚いたように目を丸くした。

「でもね、気づいたの。
変わるのは、今日からでいいって」

ミクさんは、窓の外の夕焼けを見ながら続けた。

「だから、タダシさん、
あなたにも言ってるのよ。
あと一歩ですねって。
それは、昔の私にも言ってあげたい言葉なの」

タダシさんは、静かにうなずいた。

「ミクさんなんだか、すごくわかります」

ミクさんは、少し照れたように笑った。

「まあ、私もまだ練習中よ。
タダシさんと一緒に、少しずつ変わっていくの」

工房には、木の香りと、
ミクさんの自分を許す優しさが静かに漂っていた。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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