トテチテタの午前10時。
木工室では、今日もコツコツと作業の音が響いていた。
タダシさんは、作業台の前で少し困った顔をしていた。
(みんな、作業はできるんじゃけど…できたかどうかの確認でつまずくんよなぁ)
そう、最近よく起きるのが――
- 完成したと思って提出したら、角がまだ尖っていた
- 磨き忘れがあった
- ボンドがはみ出していた
- 手順を飛ばしていた
という確認漏れ。
そこで今日のテーマは「確認手順の明確化」。
🪵事件はユウタさんから始まった
ユウタさんが、完成したコースターを持ってきた。
「タダシさん、できました!」
タダシさんは受け取って、そっと触った。
(あっ…角がまだ尖っとる…)
「ユウタさん、ここだけもうちょっと磨こうか」
「えっ、磨いたつもりだったんですが…」
ユウタさんはしょんぼり。
タダシさんは思った。
(これは確認の仕方を決めてあげたほうがええな)
📋タダシさん、チェックリストを作る
タダシさんはホワイトボードに、
大きな文字でこう書いた。
コースター完成チェックリスト
- 角は丸くなっている?(触って確認)
- 表面はすべすべ?(手のひらで確認)
- ボンドははみ出していない?(目で確認)
- 裏面に木くずは残っていない?(指でなぞる)
- 完成品置き場に置いた?(最後の行動)
ユウタさんは目を輝かせた。
「タダシさん、これなら分かります!」
🌟チェックリストの効果はすぐに出た
翌日。
ユウタさんは作業が終わると、
ホワイトボードの前に立ち、ひとつずつ確認し始めた。
「①角は丸い…よし!」
「②表面すべすべ…よし!」
「③ボンド…出てない!」
「④裏面…きれい!」
「⑤完成品置き場に置く!」
そして、胸を張ってタダシさんのところへ来た。
「タダシさん、今日は全部チェックしました!」
タダシさんはコースターを手に取り、
触って、見て、裏を確認して――
「ユウタさん、完璧じゃ!」
ユウタさんは満面の笑み。
🧠タダシさんの学び
できたかどうかは、本人の感覚だけでは分からない。
でも確認の手順があれば、誰でも安心して仕上げられる。
確認は、安心のための最後の支援だった。
トテチテタの木工室には、
今日もチェックリストの前で「できた!」が増えていく。
📘発達支援:今日のポイント
- 発達障害のある人は「自己評価」が難しいことがある
- チェックリストは確認の抜けを防ぐ
- 視覚的な確認手順は安心感を生む
- 「できた!」の実感が増え、意欲が高まる




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