迷ってもいい

第4話 リョウマくんと工房の午後

サンタ第2工房の午後は、いつもより少しだけ甘い木の香りが漂っていた。タダシが扉を開けると、その理由がすぐに分かった。ミクの隣に、見慣れない青年がいた。金髪に近い明るい茶色の髪。瞳は黒くて、子どものように好奇心でいっぱい。そして笑顔がやたらと...
迷ってもいい

第3話 「こういうのって、できますか?」

サンタ第2工房の午後は、木の香りと静けさがゆっくり混ざり合う時間だった。タダシは、昨日ミクが見せたさみしさを胸に、今日も工房へ向かっていた。扉を開けると、ミクは作業台の前で、ひとり木片を並べていた。昨日よりも少しだけ集中しているように見えた...
迷ってもいい

第2話 さみしさを抱えた芸術家

サンタ第2工房の朝は、木の香りと静けさがゆっくり混ざり合う時間だった。タダシは、昨日の出会いの温度を胸に、今日も工房へ向かっていた。扉を開けると、ミクは奥の作業台で、ひとり木片を磨いていた。その姿は、昨日と同じ。けれど昨日よりもずっとさみし...
迷ってもいい

第1話 サンタ第2工房の扉が開いた日

仙台駅北口から徒歩8分。商店街の端に、ひっそりと木の香りを漂わせる店がある。名前は サンタ第2工房。看板は少しゆがんでいるが、そのゆがみさえも「手作りの温度」を感じさせた。タダシは、その店の前で深呼吸した。胸の奥がざわつくのは、緊張ではなく...