広島駅前徒歩8分。
サンタ第2工房の店内には、木のおもちゃと端材の香りがいつものように漂っていた。
その日の午後。
ミクさんは、解約した倉庫から運び出した在庫を店頭に並べていた。
積み木、端材、古い看板、木のパーツ。
そして――
「え?これ、鉄板じゃないですか?」
タダシさんが驚いた声を上げた。
ミクさんは、鉄板を両手で持ち上げながら目を輝かせた。
「そうなの!倉庫の奥から出てきたのよ。今世紀最大の発見じゃない?」
タダシさんは思わず笑った。
「ミクさん、鉄板を発見って言う人、初めて見ました」
「だって、ステーキ屋さんで使うような本格的なやつよ?
これ、絶対使えると思うのよね」
🛒買い物のお誘い
夕方。
タダシさんが工房に顔を出したタイミングで、ミクさんが声をかけた。
「タダシさん、ちょうどよかった。近所のスーパー行きません?」
「え?買い出しですか?」
「そう。ちょっと、試したいことがあって」
タダシさんは、なんとなく胸が高鳴った。
🥩焼肉セット
スーパーでミクさんがカゴに入れたのは――
- たれに漬け込んだ焼肉用カルビ
- エリンギ
- ピーマン
- ズッキーニ
- にんじん
タダシさんは思わず聞いた。
「ミクさん、これまさか工房で?」
「そうよ。鉄板があるんだから、焼肉しないと損じゃない?」
タダシさんは、心の中でガッツポーズをした。
🔥鉄板焼肉

工房に戻ると、ミクさんはいつもコーヒー用のお湯を沸かすだけのガスコンロに、例の鉄板をどんと置いた。
「よし、火、つけるわよ」
じゅわぁぁぁぁぁ
カルビが鉄板の上で音を立てた瞬間、工房の空気が一気に焼肉屋になった。
タダシさんは、目を輝かせていた。
「ミクさんこれ、最高ですね」
「でしょ?ほら、ピーマンも焼けてきたわよ」
タダシさんは、まるで子どものように嬉しそうに食べた。
「うまい!鉄板って、こんなに違うんですね」
ミクさんは、その様子を見て満足そうに微笑んだ。
「タダシさんが楽しそうなら、それで十分よ。ビールも買ってくればよかったわね」
🌅早朝出勤
翌朝。
ミクさんはいつもより早く工房に来た。
扉を開けた瞬間――
「焼肉の匂い、すごいわね」
工房の中には、昨日のカルビの香りがしっかり残っていた。
ミクさんは窓を開け、空気を入れ替えながら小さく笑った。
「まあいいわ。楽しかったし」
木の香りと焼肉の香りが混ざる工房で、ミクさんは新しい一日の準備を始めた。





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