神様が見えない61|イベント?

ふれあいの広場 神様が見えない
ふれあいの広場
はじめに(神様が見えない)

以前書いていたブログ「神様が見えない」からリメイクして転載いたしました。

登場人物紹介

ミクの夫です。こんばんは!

ミクです。あなた、今日は何をやらかすのかしら?

「お父さん、五月連休の最終日だってのに、外は小雨だし、朝からノートパソコンの前で何ニコニコしてるの?」

朝の散歩を諦め、リビングのテーブルでブログを執筆していた私に、妻が温かいコーヒーを差し出しながら尋ねてきた。

「ふふふ、妻よ。連休中の怒濤のイベントと、我が家で起きた神様のお導き(とドジ)について思いを馳せていたのだよ」

「また大げさな。あ、そういえば、昨日、フェスティバルでの出店はどうだったの?ブースの外で声をかけちゃダメってルールだったんでしょ?」

「うむ。今年は大声を出す営業を封印したから売上ゼロを覚悟していたのだがなんと昨年の約半分も売れたのだよ!」

「へぇ!声もかけずに半分も?すごいじゃない」

「だろ?最初は私に人を惹きつけるオーラがあるからか?と己の傲慢さに酔いしれそうになったのだが、理由はすぐに判明した。一緒に入っていた同僚のおかげだったのだ」

「同僚さんのおかげ?」

「そう!私がイスに座って呆然としている横で、広い会場から彼の知り合いや友達がスルスルと現れ、立ち話ついでに商品を買っていってくれたのだよ。いやぁ、自分ひとりの力で頑張っている気になるのは人間の慢心だな。神様、そして同僚よ、ありがとうと心で叫んだね」

私がしみじみとコーヒーをすすると、妻はくすりと笑った。

「まぁ、自分の限界を知るのは良いことね。で、他にどんな神様のお導きがあったの?」

「実は最近、日常にミラクルが溢れていてね!ほら、誕生日プレゼントで買ってもらえなくなって久しい私のスニーカーだが右も左も穴が開いてボンドで補修していたろう?」

「あぁ、見るに堪えない限界スニーカーね」

「同僚に相談してネットで新品を注文したのだよ!するとなんとその1週間後、上司から新品の靴があるけどいらないか?とオファーがあったのだ!あと1週間待っていれば無料で手に入ったのに!これぞまさに待てば海路の日和ありという神様からの訓戒バッドタイミングなミラクルだ!」

「それは単に早まっただけでしょ」

妻が呆れ顔でツッコミを入れる中、私はさらに身を乗り出した。

「それだけではない!我が家の全自動洗濯機だがね、最近脱水が回らなくて、脱水が始まるたびに私が洗濯機を抱きかかえて手動で揺らしていたのを知っているか?」

「うっすら、気づいてたわよ。怪奇現象かと思って触らないようにしてたわ」

「昔の単身赴任時代の二層式洗濯機が恋しくなってネット購入を悩んでいたのだが、ふと脱水回らないで検索してみたら、裏のベルトの緩みが原因だと分かったのだよ!工具でキュッと締めたら、一発で直ってしまった!タダで修理完了だ!神様ありがとうー!!」

私が両手を挙げて叫ぶと、妻はハタキを片手に、じとーっとした目で見つめてきた。

「ちょっと、お父さん。それって神様のミラクルでも何でもなくて、最初からちゃんと調べて自分で修理すればよかっただけじゃないの?」

「ぐっ!」

「靴だってそう、売上だってそう。最初から周りを頼ったり調べたりすれば済む話を、一人で勝手に空回りして、後から神様のお導き~って言ってるだけに聞こえるんだけど?」

痛いところを突かれ、言葉が詰まる。

「い、いやね!自分の未熟さに気づかされることこそが、神様が与えてくださった最高の教訓であり、日常のミラクルなのだよ!」

「はいはい。そのありがたい教訓を忘れないうちに、雨が降らないうちに図書館本を返して、帰りに牛乳買ってきて頂戴ね。それと、直った洗濯機で連休中の洗濯物を回すという日常の奉仕も忘れないように!」

「御意」

自分の傲慢さを反省し、身近な人のありがたみを知る。そして壊れた家電はまずネットで調べる――。
連休最終日、私は日常の中に散りばめられたたくさんの小さな奇跡(と妻からの言いつけ)に感謝しながら、静かに洗濯機のスイッチを押すのだった。

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