第45話:ミクさん、ちょっと入院する

悩んでもいい第45話 サンタ第2工房
悩んでもいい第45話
はじめに(サンタ第2工房)

この物語は、私が大好きな木のおもちゃ屋さんをモチーフにして作成しました。主人公のミクさんは、妹の孫の名前からつけています。お気に入りに追加していただけたらうれしいです。

登場人物紹介

職人見習のタダシです。

サンタ第2工房のミクです。

広島駅前徒歩8分の サンタ第2工房。ミクさんが入院するという深刻な出来事がありました。それは今日も削りかけの木片とコーヒーの香りが混ざり合っていた店内から始まります。

サンタ第2工房

主人公の ミクさんは、この工房の店主であり、ちょっと天然で、ちょっと哲学的で、そしてとても愛されている女性だ。

そのミクさんには、お手伝い職人見習いの タダシさんがいる。
不器用だけど誠実で、ミクさんのこととなると心拍数がすぐバグる男だ。

📞 ちょっと入院することになったの

ある日の夕方。
帰宅して自宅でくつろいでいたタダシさんのスマホが鳴った。

電話の向こうから聞こえたミクさんの声は、いつもの明るさより少しだけ静かだった。

「ちょっと入院することになったの」

タダシさんは反射的に言った。

「え、それ来年のエイプリルフール用の新ネタ?」

なにしろ、3日前の4月1日。
ミクさんが送ってきた「明日は大雪になるそうよ…(^ω^)うそだよーん」で、タダシさんは見事に騙されたばかりだった。

しかし今回は、本当にネタではなかったのだ。

🧘 ミクさんという不思議な人

ミクさんは不思議な人だ。

考え方は献身的で、どこか慈愛に満ちていて、
老舗のお茶屋の女将のような凛とした潔さもある。

そんな精神性を持ちながら、肉体は少しもろくて、
それでも全力で走り続けてきた。

タダシさんにとってミクさんは、人生の道を照らす灯台みたいな存在だった。

🪵 工房での大騒ぎ

ミクさんの入院が明らかになった翌日。
サンタ第2工房は、ちょっとした騒ぎになった。

タダシさんが工房の前で深刻な顔をしていると、
近所の商店街の人たちが次々と声をかけてくる。

「ミクさん入院?え?またエイプリルフール?」
「タダシさん、顔がミクさん不足って書いてあるよ」
「工房の木が泣いてる気がするんだけど」

タダシさんは苦笑いしながら、ミクさんの代わりに店を切り盛りした。

しかし、ミクさんがいない工房は、どこか音量が1つ小さい感じがした。

☕ タダシさんの胸キュンメモリー

仕事の合間、タダシさんはふと、ミクさんの姿を思い出す。

・散歩のとき、ピョコピョコ跳ねるように歩く後ろ姿
・自販機の前で「どれにしようかなぁ」と瞳をキラキラさせる顔
・クリスマスの赤いコート
・紺色のワンピース
・ライトツアーで振り向いたときの、あのゆっくりした仕草

思い出すたびに胸がキュンとして、
心拍数がバグりそうになる。

🛏️ ミクさんの入院生活は?

ミクさんは病院に1週間いた。
看護師さんに「工房の木の粉が恋しい」と言って笑われていたらしい。

そして、暇になるとタダシさんにもLINEを送ってくる。

「病院の自販機、ラインナップが渋いのよ」
「タダシさん、工房の玄関にある木、雨に濡れないように取り込んでくれた?」
「今日の病院食、木の板みたいな味だった」

タダシさんは毎回、吹き出しそうになりながら返信した。

🍫 面会の日

面会の日。
タダシさんは、ミクさんのためにとびきりのコーヒーに合うチョコレートを持って病院へ向かった。

ミクさんはベッドの上で、少しだけ弱々しいけれど、
いつものように目がキラキラしていた。

「タダシさん、来てくれたの」

「当たり前ですよ。私のたからものですから」

ミクさんは照れくさそうに笑った。

🌈 タダシさんの決心

タダシさんは心の中で決めていた。

ミクさんが退院したら、
これまで忙しすぎて体験できなかったしあわせを、
全部いっしょに回収しに行く。

コーヒー教室も、散歩も、
クリスマスライトツアーも、
自販機の前で迷う時間も。

全部、全部。

そのことを病院にいるミクさんにもラインした。

🎁 翌朝のタダシ

その夜、タダシさんは熱い決意を胸に眠りについた。

翌朝。

「うわ、恥ずかしい!」

と、布団の中で赤面していた。

でも、それでいい。
これがタダシさんの偽らざる気持ちなのだから。

ミクさんが退院したら、
サンタ第2工房はまた、木の粉と笑い声でいっぱいになる。

そしてタダシさんは、ミクさんの後ろ姿を追いながら、
ピョコピョコ歩く彼女に合わせて歩くつもりだ。

おしまいに(サンタ第2工房)

タダシです。読んでいただいて、ありがとうございます!

ミクです。今日も一日お疲れ様でした。

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