神様が見えない39|異端?

最後の晩餐 神様が見えない
最後の晩餐
はじめに(神様が見えない)

以前書いていたブログ「神様が見えない」からリメイクして転載いたしました。

登場人物紹介

ミクの夫です。こんばんは!

ミクです。あなた、今日は何をやらかすのかしら?

「お父さん、ちょっと聞きたいんだけど」

夜の10時過ぎ。リビングのテーブルでノートを広げ、「世界のキリスト教徒33%」「日本の実質人口は1%未満」「偽メシアに惑わされるな!」と物々しいメモを走らせていた私に、妻が温かいほうじ茶を差し出しながら声をかけてきた。

「さっきから日本のクリスチャンは実質1%!とか惑わされてはいけない!って、一人で何の警鐘を鳴らしているの?」

「ふふふ、妻よ。よくぞ聞いてくれた」

私はほうじ茶を一口すすり、どこかのジャーナリストのような真剣な顔つきで語り始めた。

「日本のキリスト教徒の統計について思索していたのだよ!宗教年鑑の数字から異端の組織を除くと、実質的な信者は人口の1%未満なんだ!聖書にも偽メシアに惑わされるなと厳しく警告されている。正しく本質を見抜く目を持たねば、人は簡単に怪しい説や嘘に騙されてしまうのだよ!」

私が熱っぽく、見抜く力の重要性を説くと、妻はほうじ茶をすすりながら、じとーっとした目を向けた。

「へぇ。怪しい嘘や言説に惑わされない目ねぇ」

「うむ!隠れキリシタンが250年間本物を見極める基準を守り続けたように、私たちも確かな観察眼を持たねばならん!」

「じゃあ、お父さん。先週ネットでこれを飲むだけで体脂肪がみるみる落ちる魔法の秘草茶!って怪しい広告に騙されて、速攻で定期購入のボタンを押した人は誰かしら?」

「ぐっ!な、なぜ?それを!」

痛いところを突かれ、私は大汗をかいて言葉に詰まる。

「初回限定500円!の文字にコロッと惑わされて、今、リビングの棚にその怪しいお茶の箱が山積みになっているじゃない。異端やカルトを警戒する前に、自分のうまい話にすぐ飛びつく甘い脇を警戒したらどうなの?」

「うぐぐっ!あれは私の健康への信仰心が試されていたのだよ!」

「上手いこと言って誤魔化さないの!聖書の警告を語る前に、まずは自分が怪しいネット広告に惑わされない本物を見抜く目を養いなさいな」

妻の容赦ないツッコミに、私は完全に降参した。

「御意。ただちに定期購入の解約手続きを行い、我が家の家計を怪しい定期縛りから救い出してまいります」

高尚な真理や統計を語りつつも、己の詰めの甘さをあっさり見抜かれて苦笑いする私。
妻の愛あるツッコミに感謝しながら、私はノートを閉じ、我が家の平和と財布の安全を守るべく、静かにスマホを操作し始めるのだった。

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