神様が見えない16|リーダー?

リーダー 神様が見えない
リーダー
はじめに(神様が見えない)

以前書いていたブログ「神様が見えない」からリメイクして転載いたしました。

登場人物紹介

ミクの夫です。こんばんは!

ミクです。あなた、今日は何をやらかすのかしら?

「お父さん、さっきからノートにリーダーシップとは本を読んで修得するものではないって、カッコよく書き殴りながら、何でそんなにソワソワしてるの?」

日曜日のミサから帰り、リビングでコーヒーを淹れていたミクが、私を怪しむような目で見つめてきた。

「ふふふ、妻よ。今日はリーダーシップと信仰についての深遠な真理に思いを馳せていたのだよ。【リーダーシップの旅 見えないものを見る】という本があってね。リーダーというのはよし、リーダーになるぞ!と意気込んでなるものではなく、自ら一歩を踏み出した結果、後から人がついてきて、結果としてリーダーになるものなのだ。これって見えない神様を探し求める信仰の姿と、全く同じじゃないか!」

胸を張って語る私に、妻はふーんと気のない返事をしながら、チラリとテーブルの上を見た。

「へぇ。で、その自ら一歩を踏み出すリーダーのお父さんは、なんでさっきから《あー、困ったなー、この作業は僕一人じゃないと無理かなー》って、チラチラ私を見ながら独り言を言ってるのかしら?」

「ぐっ!」

完全に見抜かれている。

「それ、営業マン時代からの私の悪い癖でね。本当にやりたい仕事や面白い作業があると、他人に邪魔されたくなくて、わざと難しそうな顔をして困ったフリをするのだよ。反省すべき浅知恵なのだ」

「完全にチームワークを乱す困ったリーダーじゃないの。競争社会で他のリーダーを潰すどころか、自分ひとりで抱え込んで自滅するタイプね」

妻の容赦ないツッコミに、私は小さく咳払いをした。

「い、いやね!一歩を踏み出すには勇気じゃなく準備が必要なのだよ!時間管理のマトリックスでも言うだろう?緊急ではないが重要なことに時間を割くのが真のリーダーなのだ!」

「はいはい。で、その緊急ではないが重要なことの準備として、お父さんが今朝からやっていることは何なのかしら?」

妻が指さしたのは、リビングの隅に散らかった私のDIY用パーツと、未完成の棚だった。

「棚作りのシミュレーション(落語のように一人二役で脳内会議)だが?」

「ただの現実逃避でしょ!準備時間ばかり作って、いつまで経っても一歩(作業)を踏み出さないから、フォロワー(家族)が誰もついてこないのよ!」

言葉が出ない。見えないものを見ようとする前に、目の前のアラ(と、散らかった部屋)が完璧に見えている妻の指摘は、いつも鋭い。

「自ら楽しんで行動していれば、自然と人が集まって組織が動く。神様を探し求めるように、熱意を持って日々の生活に立ち向かうことこそが、私にとっての人生のリーダーシップなのだよ」

「語るのは立派だけど、まずその熱意で散らかったネジを片付けてちょうだい。そうすれば、私も感動して後をついていくフォロワーになってあげるわ」

「御意」

リーダーシップも信仰も、特別な才能ではなく、目の前の課題に素直に向き合う姿勢そのもの。妻に促され、私は自分の人生(と、散らかったリビング)のリーダーとして、そっとドライバーを握りしめるのだった。

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