神様が見えない53|信じがたい聖書?

聖書 神様が見えない
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はじめに(神様が見えない)

以前書いていたブログ「神様が見えない」からリメイクして転載いたしました。

登場人物紹介

ミクの夫です。こんばんは!

ミクです。あなた、今日は何をやらかすのかしら?

「お父さん、ちょっと聞きたいんだけど」

夜の10時過ぎ。リビングのテーブルで分厚い聖書とノートを広げ、「海が割れて壁になる」「カラスがパンを運ぶ」「シュレーディンガーの猫」と脈絡のないメモを真剣な顔で書き連ねていた私に、妻が温かいほうじ茶を差し出しながら声をかけてきた。

「さっきから水の上を歩くのは浅瀬だったから?説とか、火の炉から生還とか、一人でどんな超常現象バトルを繰り広げているの?」

「ふふふ、妻よ。よくぞ聞いてくれた」

私はほうじ茶を一口すすり、深遠な眼差しで語り始めた。

「洗礼前の勉強中のひとと(聖書でにわかに信じがたい記述)について語り合っていたのだよ!モーセの海が壁になる話から、食べ物が尽きない油のびん、果てはピリポのテレポーテーションまで!確かに人間業とは思えない記述ばかりだが、素直に信じることでその奥にある大きなメッセージに気づくのだよ!」

「へぇ。人間業とは思えない不思議な出来事を、素直に信じるのが大事ねぇ」

妻はほうじ茶をすすりながら、じとーっとした目を向けた。

「で?その信じがたい記述も素直に信じると言っているお父さんは、さっきから何をブツブツ疑っていたのかしら?」

「えっ?」

「うちの冷蔵庫のプリンが忽然と消えたのは、神様の奇跡かカラスの仕業に違いないって、本気で現実逃避していたでしょう」

「ぐっ!な、なぜそれを!」

痛いところを突かれ、私は言葉に詰まる。

「夕方、お腹を空かせた自分が自分で食べたのを忘れているだけでしょ。都合のいい時だけエリヤのカラスやテレポーテーションを持ち出さないでちょうだい」

「うぐぐっ!あれは私の記憶がシュレーディンガーの猫のように重なり合っていたのだ!」

「物理学の思考実験をそんな言い訳に使わないの。量子力学だの進化論だのを語る前に、自分が食べたプリンの空き容器くらい、自分でゴミ箱に捨てたらどうかしら?」

妻の容赦ないツッコミに、私は完全に降参した。

「御意。ただちに台所のゴミ箱を確認し、自分のしでかした現実を素直に受け入れてまいります」

聖書のスケール大きな奇跡に感動しつつも、自分の都合良すぎる日常の記憶喪失を見抜かれて苦笑いする私。
妻の愛あるツッコミに感謝しながら、私はノートを閉じ、我が家の平和と現実を取り戻すべく、静かに台所へと前進するのだった。

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