ミクが見せたさみしさの影の翌日、
タダシは彼女を少しでも気晴らしさせたいと思い、
夜の散歩へ出かけることを提案した。
ミクは驚きながらも、
「行ってみたいです」
と静かにうなずいた。
仙台の冬を彩る場所——定禅寺通りの光のページェント
仙台の二人が歩くのは、
冬、最も有名なライトアップの場所
✨ 定禅寺通り(光のページェント)
ケヤキ並木が一斉に光をまとい、
街全体が金色の森になる。
その光の中を、
タダシとミクはゆっくり歩いていた。
光の中でミクは少しだけ素直になった
ミクは、ケヤキの木を見上げながら言った。
「木が光ってるみたいですね」
タダシは横で微笑んだ。
「ミクさん、木が好きだから
こういう景色、似合いますね」
ミクは少し照れながら言った。
「タダシさん
昨日のこと、まだ気にしてるんですか?」
タダシはうなずいた。
「さみしさの影
あれを見た気がしたから」
ミクは、光の中で立ち止まった。
「見えちゃいましたか」
その声は、
光の粒よりも細かく震えていた。
光のページェントは、二人の距離をそっと近づける
ミクは、ケヤキの幹にそっと触れながら言った。
「私ね
人のために動くのは好きなんですけど
そのあと、すごくさみしくなるんです」
タダシは静かに聞いた。
「誰かを助けたあとって、
心が空っぽになるんです。
誰にも言えなくて
ずっと抱えてきました」
タダシは、光に照らされたミクの横顔を見つめた。
「ミクさん。
その気持ち、私に預けていいんですよ」
ミクさんは、ゆっくりと顔を上げた。
「預けてもいいんですか?」
タダシはうなずいた。
「はい。
ミクさんが抱えてきたもの、
少しずつでいいから、私にも分けてください」
ミクは、光の中で小さく微笑んだ。
「ありがとう。
タダシさんと歩くと、
さみしさが少し薄くなる気がします」
光の森を抜けたとき、二人の距離は確かに変わっていた
定禅寺通りのケヤキ並木を抜けると、
街の光が少しだけ落ち着いた。
ミクは、歩きながら静かに言った。
「タダシさん
また来たいです。
この光の森」
タダシは微笑んだ。
「もちろんです。
ミクさんが行きたい場所なら、どこでも」
ミクは、少し照れながら言った。
「じゃあ、また誘ってくださいね」
その言葉は、
光のページェントよりもあたたかく、
タダシの胸に深く沈んだ。


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